FC2ブログ
中東在住、新米エコノミストのスワップ派FX
中東在住、某国際機関の新米エコノミストが、スワップ目的で、労力の少ないFX運用を目指します。トレードの状況や、経済統計や指標の解釈、そして通貨の相関分析などに関して書いていきたいと思います。
スポンサーサイト
--年--月--日 (--) --:-- | 編集
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
南ア、金融政策会合の声明文の解釈―なぜ失望売りを誘ったのか。
2008年06月13日 (金) 21:04 | 編集
昨日の南アの金融政策会合で、政策金利は0.5%引き上げた12%となりましたが、事前予想が1%引き上げだったため、失望売りとなり、ランド円は急落しました。

昨日の記事で少し書いたように、経済成長とインフレ抑制のバランスをとった、思い切りの悪い中途半端な処置であったのでは、と私個人では思っております。

せっかくなので、簡単に声明文の解釈をしていきたいと思います。
ただ、個人的な見解ですので、ご了承を。

まず、インフレに関して。

重要な点としては、石油価格が年率で30.5%上昇したという点でしょうか。消費者物価指数(住宅抜き)が10.4%なので、石油価格がずば抜けて高く、インフレを引率しているということです。

このインフレの現状に対して、中央銀行の分析では2008年の第3四半期、つまり7-9月に12%の物価上昇率をつけ、それがピークになるだろうと予想しています。

これが正しい予測かどうかは、のちにわかることですが、おそらくかなりの確率でこれは間違いになるでしょう。

理由としては、
1. 原油高がまだおさまっていないこと。原油価格が下がるという根拠に弱いこと。そして、同業者的に思うのは(私もマクロの経済予測はしていませんが、仕事でミクロの予測はよくしますので)、この計算の仮定として「原油価格が今後変わらない」や、「原油価格が年率1-2%で上昇する」などの無難なコンサバなものを使っていると思います。つまり、最近の原油高は異常なので、そんな上昇率は使えない!ということですね。ですので、もしも今年上半期のペースで原油高が続く、もしくは現状で高止まりすると、この12%の物価上昇率というのは低すぎる見積もりということになります。

ついでに書くと、分析がなされたのはおそらく先月の1バレル120ドル前後のころ、ひょっとするともっと前かもしれません。そうすると、今の135ドルという現状でさえすでに予測を上回っているということになります。

2. インフレがおさまるという根拠がないこと。原文を読まれればわかりますが、2010年にインフレターゲットに戻ると書かれていますが、その根拠が全く説明されていませんね。普通、こういう声明で分析の仮定を説明することはありませんが、これでは説明責任がまったくなされていません。これは予測ではなく、希望的観測にすぎないでしょう。

3. 電力価格の上昇分を織り込んでいないこと。100%起こる現象を織り込んでいないので、あきらかに計算ミスです。電力価格を14.2%引き上げるということを明言してるわけですから、それを織り込んだ、生産者物価指数、消費者物価指数を計算しなければなりません。すべての産業で電力は必要なわけですから、14.2%上がれば、生産者物価指数が大きく上がる可能性があり、そこから直結して消費者物価指数もさらに上がります。

4. 自己矛盾があること。これは先週のSARB総裁の発言でインフレ率は今後もっと高くなるって自分で言ってるので、自己矛盾がありますね。おそらく経済成長推進派のエコノミストたちによって分析がなされ、それで説得されたのでしょう。


と、まぁこんな感じで、おそらく予想が外れると思うのですが、外れればどうなるか

まず、今後も金利上昇がまだ続きます。物価指数の発表のたびに、金利先高懸念が出てくると思います。これをポジティブととらえるかどうかは、市場次第なのでわかりません。

しかし、対策が後手に回ったと昨日記事に書きましたが、後手に回ったということは、これから、予想外に高いインフレ率、予想外に大きい貿易赤字が出てくるということです。そのたびに、残念ながら釈明をしなければならなく、南アの金融政策への信用が弱くなるのではと思います。そうなれば、ランドは下落・・・という可能性が高くなります。


また、経済成長率にどういう影響を与えるかという点においては、ニュートラルだと思います。インフレが10%を超えると、消費が必然的に弱くなるため、金利を1%ではなく、0.5%しか上げなかったからといって、経済成長にはいい影響を与えるかというとそうではないように思います。やはり利上げは利上げですので、経済の縮小はまだ続きますね。

よって、私の結論としては、問題を先送りしたため、経済回復までの期間が少し長くなる、ということになります。


つまり、昨日の失望売りは、キャリートレードをする人の失望売りと、経済への失望売りと二つがあったのではと思います。

今日のランド円は、ドルが上昇しているおかげで対円では下がっていませんね。私自身もランド円をどうするか悩むところですが、1か月で15銭程度レートが下がるほどスワップがもらえるので、ドルが対円で大幅下落しなければ、ランド円は13円は堅いのではと思っています。また明日にでも書くことにします。

長々と書いてしまいましたが、読んでくださってどうもありがとうございました。
もし、少しでもためになったと思っていただいたなら、下をクリックしてくださるとうれしいです。

にほんブログ村 為替ブログへ
人気ブログランキングへ
外為ランキング




スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL :
コメント :
パスワード :
秘密 : 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
Template by 【投資信託のことなら】投信Web /

Powered by .
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。